石木ダム利水再評価で検討委初会合 佐世保市の水需要予測を了承

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 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、佐世保市水道局が進める利水面の事業再評価について第三者の意見を聴く、市上下水道事業経営検討委員会(武政剛弘委員長)の初会合が23日、佐世保市役所で開かれた。この日は再評価案のうち、2038年度までの水需要予測を審議。水道局は、安定的に取水できる水源量の不足を挙げた上で「新規水源確保が必要」と改めて主張。検討委は了承した。
 佐世保市は国の補助を受けるため、適宜の再評価を義務付けられている。昨年、県が工期の3年延長を決定。市は2012年度以来となる再評価を進めている。再評価のうち水需要予測を巡っては、ダム建設反対派が「過大」と疑問視している。
 検討委で市水道局は、水需要予測を「必要最小限の数字」と強調。全体の6割以上を占める生活用水は、人口が減る一方、全国の同規模都市と同様に1人当たりの水使用量が増えるため、ほぼ横ばいで推移するとした。
 生活用水以外についても横ばいから微増になると想定。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に関しては「使用水量が未確定」として含めなかった。
 渇水などの非常時の備えを含め確保しておくべき計画取水量は、1日11万8388立方メートルと推計。既存ダムなどの水源量は1日7万7千立方メートルにとどまり、新たな水源確保が必要とした。
 検討委は識者ら9人で構成。水需要予測の妥当性について、目立った異論はなかった。2月以降に石木ダムの代替案の有無や費用対効果を審議し、意見を答申する。
 傍聴は別室で受け付け、約20人が中継映像で審議を聴いた。ダム建設予定地の住民で、事業に反対する川棚町議の炭谷猛さん(69)は「直接傍聴させないのは不誠実だ。ダムありきで進めている」と批判した。
 検討委に先立ち、事業に反対する市民団体は、委員の中にダム推進団体のメンバーが含まれ、中立を保てないとし、市水道局に検討委の中止を申し入れた。