週末に緑地保全を 初心者の参加募集

 横浜市内などの緑地で、NPO法人が主催する保全活動が進んでいる。週末の午前中、初心者でもこなせる作業への参加を呼び掛けるのが特徴。門戸を広げることによって、受け入れ側にとっては保全作業の短縮化のメリットがあり、担い手育成の期待も高まる。

 「週末朝だけボランティア」を掲げて、参加者を募るのは認定NPO法人自然環境復元協会(東京都新宿区)。神奈川、東京、埼玉が活動の舞台。横浜市内でもカーリットの森(保土ケ谷区)、恩田の谷戸(青葉区)など11カ所で緑地保全にあたる。

 同協会コーディネート役の伊藤博隆さん(45)=保土ケ谷区=は2009年から4年間、横浜みどりアップ計画市民推進会議の委員を務めた。横浜みどり税による樹林地の保全策などを議論した際、最も感じたのは担い手育成の重要性だった。「やる気のある人が気軽に参加できる仕組みづくりが大切」と話す。

 希望者は、協会のホームページ「レンジャーズプロジェクト」に登録(無料)。活動があるごとにメールが届き、参加可能なときに返信する。交通費は自己負担だが、保険料は協会が負担。活動当日は除草や畑仕事など2時間程度の作業に取り組むという。

 プロジェクトは11年4月に始まり、登録者数はすでに2200人を超える。毎回10〜20人が参加し、8割近くが10〜30代。「無理せずに自分のペースで作業できる」「個人参加が多く、出会う人の話に刺激を受ける」と好評だ。

 プロジェクトを受け入れる「“カーリットの森”を守る市民の会」は、「人手が必要な下草刈りなどは非常に助かる。プロジェクトの参加をきっかけに、普段の私たちの活動に興味を示す若者も出てきた」と効果を話す。

 次回は今月16日、保土ケ谷区の桜ケ丘緑地で開かれる。午前9時45分に相鉄線天王町駅集合。問い合わせは、同協会電話03(5272)0254。

© 株式会社神奈川新聞社