「憲法違反許すな」海自中東派遣に市民ら抗議 横須賀

海上自衛隊横須賀地方総監部前で抗議する市民ら=横須賀市西逸見町

 来月2日に迫った海上自衛隊横須賀基地所属の護衛艦「たかなみ」の中東派遣に対する抗議集会が26日、神奈川県横須賀市内で行われた。市民団体の呼び掛けで市民約80人が集まり、懸念を共有した。

 ヴェルニー公園では、市民や市議らが次々とマイクを握り「自衛官の命が心配」「憲法違反の派遣を許してはいけない」などと政府を非難した。その後、海自横須賀地方総監部前や米海軍横須賀基地ゲート前、地元商店街をデモ行進。「中東へ行かないで!」「むりやり行かすな自衛隊」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げ、反対を訴えた。

 呼び掛けた市民団体「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の新倉裕史さん(71)は「自衛隊の海外派遣が日常化されることを危惧している。海外派遣によって多くの自殺者が生じており、想像する以上に任務は過酷。駄目なものは駄目と市民として声を上げていかなければならない」と力を込めた。

 この日は市民団体「ヨコスカ平和船団」メンバーらによる抗議行動も行われ、たかなみの停泊地までボートなどで近づき、派遣反対をアピールした。鈴木茂樹団長(72)は「国会や国民の意見を一切聞かずに閣議決定したことは問題。調査や研究のための派遣なら、なぜ武器を持っていく必要があるのか」と指摘。「自衛官にも自分の命の問題なので声を上げてほしい」と話した。

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