三菱電機、AIで曖昧な命令を理解する「コンパクトな知識処理に基づくHMI制御技術」を開発

三菱電機株式会社は、人の曖昧な命令を、エッジ機器単体で状況に応じて不足情報を自動補完して理解する「コンパクトな知識処理に基づくHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)制御技術」を開発した。同技術は、三菱電機のAI技術「Maisart」を用いており、知識処理の演算量とメモリー使用量を削減することで、家電製品や車載情報機器などのエッジ機器のHMIに適用でき、素早い機器操作を実現する。特長は以下の通り。

1. ユーザーの曖昧な命令を、AIが状況に応じて不足情報を自動補完して理解

    • AIが機器情報や機器操作方法を事前に学習
    • ユーザー命令やユーザーに対するカメラやマイクからのセンシング情報を統合し、ユーザーの状況(今はTVを視聴しない状態、放送番組予定あり、母の嗜好、など)を把握する
    • ユーザーの状況に関連性が高い情報や機器操作方法をもとに、ユーザーの曖昧な命令に不足している述語や目的語などの情報をAIが自動補完し、命令を理解する

2. 知識処理のコンパクト化により、エッジ機器単体でユーザーの要求に素早く応答

    • 統合された情報の中から、ユーザー命令やセンシング情報などと関連性が高い情報に絞り知識処理を行うことで演算量とメモリー使用量を削減する
    • エッジ機器単体で曖昧な命令を1秒以内で理解し、即時に応答する

同技術は今後、家電や車載情報機器などへの適用を検証し、2022年以降の商用化を目指す。また、同社内での問い合わせ業務や品質管理業務への適用を検討するとした。

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