中国を訪れた時に感じた「衛生面」で気になったこと 新型コロナウイルス騒動で思い出す

Image: Pixabay by Gerd Altmann

私が昨年訪れた23年ぶりの中国。ここ1週間で新型コロナウイルスの感染者(5000人超)や死者(132人)がどんどん増え続けていて、流石に気になります。

アメリカでは感染者が5人。ニューヨークでは今のところ感染者は確認されていませんが、10人が病院で検査を受け、7人が陰性判定、残り3人は依然隔離された状況だと言います。もはや対岸の火事とは言えなくなりつつあります。(数字はすべて1/28現在)

このウイルスのはっきりした発生源はまだ解明されていないですし、私は専門家ではないのでたくさん話すこともないのですが、昨年訪れた上海で、そう言えば「衛生面」で気になる点が2つあったと思い出したので、こちらで記録に残そうと思います。

私が昨年訪れたのは上海だけでしたが、まず最初に言っておきたいのは街自体、大都会にしてはとても清潔でした。道路は近代舗装されていて、凸凹がなく歩きやすいしゴミも落ちていないし、まるで日本のようでした。(どちらかというと街全体では、ニューヨークの方が古くて汚いです)

では何が衛生面で気になったのか、ご紹介します。


(1)超有名観光地のど真ん中で「大」を堂々とさせる親

場所は整備された超有名観光地・外灘。

対岸の上海テレビ塔などがある浦東の素晴らしい夜景を見るために多くの人が訪れ、人々が行き交う遊歩道の「真ん中」で、2、3歳くらいの男の子のズボンとパンツをおろし、大小をさせていた親がいました(母親らしき人がさせていて、父親らしき人はそれを見ていました)。そのような光景をすぐ後ろで見てしまい、私は驚くと共にとてもショックを受けました。そこに来ていた人々も、横目で彼らを見ていました。

汚物(お便の方)はティッシュで片付けていましたが、お小水の方はそのままだし、親も子も手も洗わないわけですから衛生的に明らかにNGです。


(2)口から水を(思わず)他人に吹きかける男性

浦東にある世界2位の高さを誇る超高層・上海タワーの中でのこと。

まったく動かない長蛇の列に並んでいた時、40代くらいのお父さんらしき男性がペットボトルでグビグビと豪快に水を飲んでいたところ、突然喉に詰まったようで、ブワッと口から洪水のように水を吐き出しました。その口から出たものがあろうことか、前に並んでいた外国人の女性の右側の腕の部分やバッグなどにブワッとふりかかってしまったのです。

その女性もびっくりしていましたが、吐き出した男性も自分のやったことにびっくりした様子で、10代くらいの子どもたちが慌ててティッシュをバッグからかき集め、その女性にかかった水分を拭いていました。その様子から、これは突発的な「事故」だったようです。ただし事故だったとしても、瞬時の判断で下を向くなり何かしらの対処をして欲しいものですが、そのようなとっさの行動ができなかったようです。

このような2つの場面を日本でもアメリカでも見たことがなかったので、とてもショックを受けました。

どちらも有名な観光地なので、彼らはおそらく上海の人ではなく、中国の別の場所から都会に遊びにやって来た親子だったのかもしれません。特に後者のケースは、入場料が1人日本円で約3,000円ほどする人気観光地に家族全員で来ていたので、おそらく中国の中間より上の層の方だと思うのですが、どちらにせよ「衛生面」を疑う光景を目の当たりにした体験でした。

これらは今騒動になっている新型コロナウイルスの発生や拡散とは直接関係はないとは思います。ただ、たった4日間の滞在で2度もびっくりする光景を目にし、中国人の「衛生観念」に驚いたのです。(人口14億人近くを一緒くたに語れないので、中国人と書くと語弊があるかもしれないですね。「上海を訪れていた人々」が良いでしょうか)

下記、私が書いたものではないですが、たまたま読んだ文春オンライン(高口康太さんの)でも、中国の衛生観念の問題の記事を読みました。

それに加えて中国社会の衛生観念という問題があります。私はずっと前から言い続けているのですが、手鼻、タン吐き、立ち小便、手洗い、トイレの清潔さなどで中国はまだまだ不衛生なことが多い。もちろん昔と比べればだいぶマシになりましたが、それでも日本と比べれば大きな差があります。

こんな状況においてもいまだに中国国内でさえ、マスクをしていない人がいて、テレビのインタビューを受けていました。(インタビューを受けていた若い女性は「免疫力を上げ、水もたくさん飲んでいるから自分は大丈夫」という話をされていました)

ウイルスの拡散が一日でも早く止まり、日本でも中国でも、そのほかの国でも病気の方が回復されますように願っています。

関連記事:

(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

© 安部かすみ