東彼杵町「ソリッソ・リッソ」新装 ほうじ茶販売店オープン

「くじらの髭」で茶葉の焙煎を体験する来店者(右)=東彼杵町

 長崎県東彼東彼杵町瀬戸郷の交流拠点「Sorriso riso(ソリッソ・リッソ)」が、新たな店舗を加えてリニューアルした。建物内に町産のそのぎ茶を使ったほうじ茶の販売店がオープン。「若い人にお茶と文化を」をコンセプトに、地域の魅力を発信する。
 有志のまちおこしグループが、使われなくなった米倉庫を改修して2015年に開設。一般社団法人「東彼杵ひとこともの公社」(森一峻(かずたか)代表理事)が運営している。建物内ではカフェなど複数店舗が営業し、人気スポットに成長した。昨年末までにカフェを除く店舗が場所を移して独立。空いたスペースを改装し、公社直営の店舗「くじらの髭(ひげ)」として生まれ変わった。
 「くじらの髭」は、公社が町の魅力を掘り起こし、付加価値を与えて商品化するブランドシリーズ。これまでそのぎ茶葉やスイーツなどの新商品を企画、販売してきた。店舗では、新しい目玉としてほうじ茶を扱う。店内で4種類のほうじ茶葉を販売するほか、専用のほうじ器を使って自分で茶葉を焙煎(ばいせん)できる。
 森代表理事(35)は以前、「急須でお茶を入れたことがあるか」と大学生に尋ねると、想像以上に少なく驚いたという。「ほうじ茶は、おいしく入れるための工程が緑茶より少なく手軽。カフェインも少なく、香りにはリラックス効果もある。こうした特色をアピールして、若い世代に親しんでもらいたい」と話す。
 今後は、活版印刷体験やレンタサイクル、写真スタジオの機能も加わり、より「体験型」を重視した施設に進化する。既設のカフェ「Tsubame coffee(ツバメコーヒー)」も新しいテーブルを設置し、リニューアルした。森代表理事は「これまではマーケットをつくってきたが今後は、『仕組みづくり』が目標。小さくても新しい仕事を創出し、転出者がUターンしやすい環境をつくりたい」と話した。

新しいテーブルを設置してリニューアルした「ツバメコーヒー」=東彼杵町

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