生まれてくれてありがとう 娘への感謝 歌詞に 平戸の主婦・高野さん 育児中の母親ら共感

鈴木さんのミュージックビデオ「MIKOTO」で使われている美心ちゃん(左)と高野さんの写真

 「ありがとう ありがとう 生まれてくれて」-。長崎県平戸市下中津良町の主婦、高野有美(ゆうみ)さん(33)が生まれた娘への感謝の気持ちを歌詞にした楽曲「MIKOTO~結ぶ心~」が、子育てをする母親の共感を得ている。高野さんが歌声にひかれて作曲を依頼した東京在住のシンガー・ソングライター、鈴木友海(ゆうみ)さん(33)が歌唱している。

 高野さんは2歳の長女、美心(みこと)ちゃんを出産後の2018年、音楽配信サイトで聴いた鈴木さんの優しく澄んだ歌声にひかれた。作詞の経験はなかったが、妊娠中の不安や誕生の喜びを同年4月から書き留め、約4カ月かけて歌詞を完成させた。

高野有美さん

 会員制交流サイト(SNS)を通じ、鈴木さんに作曲を頼むと快諾された。鈴木さんは「同じ年で名も同じ人との出会いは運命的だった。親から子への優しい手紙に美しい曲をつけ、すべてのお母さんに届けたかった」と振り返る。
 その後、鈴木さんのミュージックビデオ制作のため、高野さんは美心ちゃんと撮影した複数の写真を送付。愛情あふれる画像とともに、わずか2歳で亡くなった高野さんの弟、幸太朗さんを背負った昔の写真も送った。「大切な命を失ったことも忘れたくなかった」
 「美しい心でだれからも愛されるように 幸せになってほしい そんな思いを込めてあなたの名前をつけました」。「MIKOTO」は昨年6月の配信後、歌を聴いた母親らから「曲が流れると子どもが泣きやむ」「子どもが一緒に歌う」などの書き込みが寄せられた。美心ちゃんが通う中津良保育所でも園児らが歌う。
 子どもの虐待が社会問題化している状況を踏まえ、高野さんは「育児は苦悩もあるが、命が生まれることは当たり前でないことを忘れないでほしい」。鈴木さんは「曲を聴き、子を授かったときの気持ちを持ち続けてもらえれば」と話す。
 「MIKOTO」は動画投稿サイト「ユーチューブ」で視聴できる。

鈴木友海さん(提供写真)

関連記事

© 株式会社長崎新聞社