エカシの言葉を胸に…アイヌ民族の親子に密着!

HTB北海道テレビで2月2日にHTBノンフィクション「アイヌの誇り 胸に~受け継がれし エカシの言葉~」(午前10:00、北海道ローカル)が放送される。祖父が書き残したノートをなぞりながら、アイヌ民族の精神文化を実践し、引き継ごうと模索する葛野次雄・大喜さん親子に密着した。

アイヌ民族の仲間から尊敬を集めた葛野辰次郎エカシ(=アイヌ語で祖父、老翁)が亡くなったのは約20年前。エカシはアイヌの風習や言葉を大量のノートに記していた。

しかし、息子の次雄さんは貧困のため中学校にさえ満足に行くことができず、アイヌ語を学ぶ機会もなかった。それでも、「エカシの思いを引継ぎたい」と、儀式を仕切るエカシの姿の記憶を頼りに、アイヌ民族復権を目指して祭祀(さいし)としての活動を始める。

一方、次雄さんの息子・大喜さんは、あえてアイヌを名乗り、アイヌ民族の復権を目指す必要があるとは感じていなかった。しかし、祖父と父がアイヌとして生き、アイヌ民族としての尊厳を取り戻そうと活動してきた姿を見て、「自分も何かできないか」と勉強を始める。それは、先祖の暮らし、文化、自然に対する考え方や死生観を学び直す作業だった。

ある日、次雄さんは大喜さんにお守りを作る。それは、かつて次雄さんも父・辰次郎さんから作ってもらった、一族の文化を引き継ぐ者と認められた証だった。また、次雄さんは約20年途絶えていたアイヌの伝統儀式を行うことも決める。4日間にわたる、アイヌ様式の土葬の儀式だ。知人のアイヌらも加わり、遠い記憶をたどり寄せながら式をやり遂げた次雄さん。参加した大喜さんも成長する。

そうした中、葛野辰次郎エカシが残したノートが新たに2冊見つかった。ページをめくると、驚くべき言葉が記されていた。それは、当時1歳の孫・大貴さんに託した思い。そのメッセージを胸に秘め、大貴さんはある決断をする。ナレーションは大橋千絵。

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