ギャンブル等依存症対策推進計画 長崎県が医療機関選定へ  予防や回復支援

 長崎県は29日、国のギャンブル等依存症対策基本法に基づき「県ギャンブル等依存症対策推進計画」(2020~22年度)を公表した。精神疾患に位置付けられる「病的ギャンブラー」、日常生活に問題が生じる「問題ギャンブラー」のほか、ギャンブルをしない人なども対象に予防や回復支援に取り組むことを基本理念としている。
 計画の策定は愛媛県に次ぎ全国で2番目。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を表明している自治体では初めて。
 計画では、治療に当たる専門医療機関については県内八つの医療圏で各1カ所以上、人材育成などを担う治療拠点機関は県内1カ所以上をそれぞれ選定することを重点目標に掲げた。本年度中に長崎大学病院を両機関に選定する方向で協議する。
 基本理念に基づき、依存症の背景となる精神疾患や雇用の問題、家庭問題などに関する施策とも連携して対応。調査研究を関係機関と連携して進め、予防教育に反映させる。
 県障害福祉課によると、18年度のギャンブル等依存症に関する相談件数は延べ435件。パチンコ・スロットが82.1%と最も多く、モーターボート競走(13.3%)、競馬(6.7%)と続いた。同課は「ギャンブル依存症は自分で認めることができない否認の病気」とし、家族や周囲のサポートの大切さを強調。専門相談員を配置した長崎こども・女性・障害者支援センターや、県内10カ所の保健所などへの相談を呼び掛けている。
 同基本法は都道府県の計画策定を努力義務としている。

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