2017年ノーベル平和賞授賞式で演説 カナダ在住・サーロー節子さんが長崎訪問へ

サーロー節子さん

 2017年のノーベル平和賞授賞式で被爆者として初めて演説したカナダ在住のサーロー節子さん(88)が5月に長崎市を訪問し、講演する予定であることが29日、関係者への取材で分かった。授賞式後、被爆した広島市で講演したことはあるが、長崎市は初めて。
 サーローさんは、ゆかりのある関西学院大(兵庫県西宮市)の名誉博士号授与が決まっており、5月中旬に同大での授与式と講演のため来日する。これに合わせ、長崎市が被爆75年事業の一環として長崎訪問を要請し、サーローさんは応じる意向という。
 サーローさんは、核兵器禁止条約採択への貢献で17年にノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の活動に協力。授賞式で被爆体験を振り返り「核兵器は必要悪でなく絶対悪だ」と強調、条約を「核兵器の終わりの始まりにしよう」と各国政府に署名を呼び掛けた。
 長崎市は今年、平和祈念式典と同じ8月9日に東京五輪の閉会式が開かれるのに合わせ、五輪閉会式に参加する各国元首級の要人に平和祈念式典にも出席するよう呼び掛ける方針。例年は各国駐日大使を招待している。

© 株式会社長崎新聞社