世界遺産に理解と関心を 筑波大名誉教授の日高さん 平戸高で講演

世界遺産の定義や意義、多様性、普遍性などについて話す日高さん=平戸市、平戸高

 長崎県平戸市草積町の県立平戸高(郷野俊介校長、85人)で「世界遺産講演会」があり、筑波大名誉教授で長崎歴史文化博物館研究員の日高健一郎さん(71)が「世界遺産から何を学ぶか」と題して講演した。
 市内に春日集落など世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産があることから、次代を担う高校生に世界遺産への理解と関心を促そうと開いた。
 日高さんは世界遺産の定義や制度誕生の背景、多様性や普遍性について、各地の世界遺産を例に挙げて説明。「世界遺産は単に過去の記憶にとどまらず、現在の人間の未来にかかわるもの」とし、「『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』には祈りの遺産、心の遺産として普遍性があり、さらに被爆地・長崎の平和への願いも加わった」と話した。
 講演後、生徒を代表して2年の島田夏朋(かほ)さん(17)が「住む人に誇りを、訪れる人に感動を与えてくれる世界遺産を危機にさらす紛争のない平和な世界になってほしい」と感想を述べた。

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