バーガーキング、マクドに縦読みで「勝利宣言」 ポスターに込めた真意は

1月31日をもって閉店する、東京・秋葉原にあるマクドナルド。そのすぐ近くに位置するバーガーキングがマクドナルドに向け、店舗前に「たくさんのハッピーをありがとう。」と記したポスターを30日夜から掲出しています。

しかし、ポスターのメッセージの文頭を「縦読み」すると、マクドナルドに対する勝利宣言にも読める内容だとして、Twitterで話題になっています。どのような狙いがあるのでしょうか、運営会社に取材しました。


文字をつなげると「私たちの勝チ」

閉店するのはマクドナルド「秋葉原昭和通り店」。店舗前のポスターに「22年間のご愛顧ありがとうございました」とあり、背中を向け「See you」と右手をあげるドナルドが描かれています。これは閉店する店舗に掲出される恒例のデザインです。

これに対して、異例のメッセージを出したのが「バーガーキング秋葉原昭和通り店」。2軒隣に位置するマクドナルドとはライバル関係にある同店が、よく似たデザインのポスターを店頭に掲げました。

「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という言葉とともに、バーガーキングの店員が帽子を脱ぎ、頭を下げる様子が描かれています。

「マクドナルドさんのいないこれからを思うと寂しさでいっぱいです。どうかみなさん、勝手なお願いですが、今日は彼のところに行ってください」などと呼びかけおり、一見するとライバルへのねぎらいの言葉です。

ところがよく眺めると、不自然な位置に改行があることに気づきます。しかも、「のいない」「ちかくに」といった言葉から始まっています。文頭をつなげて、縦に読むと……「私たちの勝チ」。勝利宣言にも読めるような内容です。

さらに「マクドナルドさんとの楽しかった思い出を、語り合うなら…」と、マクドナルドの「秋葉原昭和通り店」のレシートを持参した人に、バーガーキングのブレンドコーヒーをプレゼントするキャンペーンまで実施しています。

このポスターの写真がTwitterで8万回以上リツイートされ拡散。その影響なのか、31日午前に現地を訪れるとバーガーキングの店舗前で、ポスターの写真をスマホで撮影して、通り過ぎていく人が多数いました。

バーガーキング「敬意を込めてエール」

バーガーキングを運営するビーケージャパンホールディングスに、ポスターの狙いについて取材すると、「これまでたがいに切磋琢磨してきたライバルであるお店へ、敬意を込めてエールを送らせて頂きました」とメールで回答。縦読みすると「私たちの勝チ」になることについては、これ以上回答しませんでした。

バーガーキングが海外で展開してきたマクドナルドとの比較広告を、国内で実施するようになった経緯などついても質問しましたが、「お答えを控えさせていただきます」としています。

バーガーキングは2019年5月、国内99店舗のうち約2割強にあたる22店舗を閉店することを発表。これは投資ファンド「アフィニティ・エクイティ・パートナーズ」に運営権が譲渡されたことが絡んでいます。2019年はグローバルで展開する最新デザインを導入した22店舗をオープン(2店舗はリモデル)。バーガーキングの広報担当者は「2020年も継続的な出店を計画しております」としています。

マクドナルド「秋葉原昭和通り店」が入居するビルに張られたお知らせによると、同ビルは3月1日から解体工事を予定。すでに移転済みのテナントもあります。同店の閉店理由と、バーガーキングのメッセージについて取材を申し込んでいますが、19時現在回答を得られていません。

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