恵方巻き文化が米国進出 横浜のサイダー製造業者、出荷ピーク

かぶりついているように見える「恵方巻サイダー」

 2月3日の節分を前に、サイダー製造の「坪井食品」(横浜市中区)で、「恵方巻サイダー」の出荷がピークを迎えている。恵方巻きは決まった方角を向いて食べると縁起が良いとされるが、このサイダーは「まさかの寿司酢(すしず)味」。同社は「恵方に向かって一気飲みして幸運を呼び込んで」とアピールしている。

 のり巻きのように真っ黒なサイダーの瓶底には、具が詰まった恵方巻きの断面写真。ラッパ飲みすると、まるで恵方巻きにかぶりついているかのようだ。

 その風味は本格的。老舗醸造酢メーカー「横井醸造工業」(東京都江東区)の寿司酢「米寿」を酸味料として使用した。17年から東京の高級寿司店で「寿司酢サイダー」の商品名で販売したところ、絶妙な酸味が米国人バイヤーの舌をうならせ、19年末に英語と日本語が織り交ぜた新たなラベルで米国向けに輸出を始めた。

 坪井食品の坪井裕平社長(51)は「人気がじわりと高まり、市内の食料品店などでは品薄状態となっている」。1本190ミリリットル入り。オープンプライスだが、同社店頭では1本200円で取り扱う。問い合わせは、同社電話045(251)5289。

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