九州商船側の監査請求却下 新上五島町の所有船巡り

 新上五島町監査委員は、五島産業汽船(新上五島町)が運航する町所有高速船「びっぐあーす」の定期検査費1億7千万円を町側が全額負担することに対し、競合する九州商船側が「公益性のない違法な補助金」などとした住民監査請求を却下した。通知は30日付。
 町監査委事務局などによると、同船は公有財産であり、町が機能の維持や運用管理に努める義務があるとし、方策を講じなければ住民福祉に反すると指摘。維持保全に限定した予算として可決されたことから「町に損害を与える恐れがある財務会計上の不当な行為とは断じえない」などとした。
 九商側は先月9日、同町にある関連会社名義で住民監査を請求した。九商の幹部は「当社としては納得できないので、住民訴訟を起こす方向で検討する」としている。

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