圧巻 燃え広がる炎 平戸・川内峠 野焼き

ガスバーナーで草原に着火する参加者(左)=平戸市、川内峠

 長崎県平戸市の川内峠で2日、野焼きがあり、約30ヘクタールの草原に炎が燃え広がった。春の訪れを告げる風物詩。観光客らが詰め掛け、炎と白煙が上がる圧巻の光景に見入った。
 川内峠は西海国立公園内の平戸島北部に位置し、玄界灘や壱岐、対馬などを見渡す景勝地として知られる。野焼きは景観維持などを目的に毎年、市が実施している。
 午前9時ごろから市消防署員や消防団員、大野町など4地区の住民ら約150人が参加し、ガスバーナーで区画ごとに火入れした。「パチパチ」と激しく音を立てて炎が燃え広がると、見守る観光客らから歓声が上がった。迫る炎を前に、枯れ草が勢いよく燃えていく景観を写真愛好家らが撮影していた。
 写真撮影歴約30年という北松佐々町の建築業、元川輝さん(79)は「川内峠は最も身近でいい写真が撮れる場所。毎年違う表情を見せてくれるので、イメージを考えながら撮影を楽しんでいる」と話した。
 野焼きをした跡には3月ごろ、ワラビが芽吹き始める。

目の前で燃え盛る炎をカメラに収める女性

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