吹奏楽部とプロが共演 音色育む慈善演奏会 三浦

チャリティーコンサートを開催する朝本千可さん(右)と実行委員長の辻克仁さん

 神奈川県三浦市内の中学校吹奏楽部を支援するチャリティーコンサートが2月23日、市民ホール(同市三崎)で催される。同市在住のサックス奏者朝本千可さん(59)が始めた取り組みで、過去2回では老朽化する吹奏楽部の楽器の新調にも結び付いており、朝本さんは「これからも支援を続けていきたい」と意気込んでいる。

 コンサートでは朝本さんのバンドのほか、トランペット奏者小林正弘さん、ギター奏者山口憲一さんらプロによるパフォーマンスが披露される。市立三崎中学校吹奏楽部の演奏、プロと生徒による共演もある。

 朝本さんは日本初の女性プロサックス奏者。これまでに10枚以上のアルバムを発表し、パフォーマー、プロデューサーとして海外でも活躍している。10年前に同市に移住してきたが、市内の中学校の吹奏楽部を指導した際、ぼろぼろの楽器を見て胸を痛め、支援を思い立ったという。

 初開催の2018年2月には約200人が、市民有志が実行委員会を結成した昨年2月の2回目は約400人が会場を埋めた。市教育委員会を通じ、それぞれ約20万円が三崎中などに寄付されたといい、今回も経費を除いた収益が寄付される。

 三崎中によると、同校の吹奏楽部で使っている楽器はいずれも昭和の時代から使用されてきたものとみられる。修繕を繰り返し、長年引き継がれてきたが、「修理ができないくらいガタガタになっていた」ものもある。昨年は朝本さんや他の団体からの寄付で、バリトンサックスが新調されたという。生徒からは「吹きやすい」と喜びの声が上がり、同校教頭は「全体的に古く、買いたい楽器はたくさんある。支援はありがたい。少しずつでも良いものに移行していけたら」と話す。

 コンサートに向け、生徒たちは練習に励んでおり、「自分が楽しまなければお客さんを楽しませられない。生徒たちにはとにかく楽しんでほしい」と朝本さん。「地域の人には身近なものとして生の音楽に触れてもらえたら」と来場を呼び掛けている。午後2~4時。チケットは2千円。

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