ドナルドソンがツインズにもたらすものは強打だけではない

ツインズが4年9200万ドルの大型契約でジョシュ・ドナルドソンを獲得したとき、昨季メジャー歴代最多の307本塁打を記録した重量打線に昨季37本塁打のスラッガーが加入したとして、ドナルドソンの強打ばかりに注目が集まっていた。しかし、MLB公式サイトのマイク・ペトリエロはドナルドソンのハイレベルな三塁守備に注目し、「ドナルドソンがツインズにもたらすものは強打だけではない」と指摘する。

Statcastが計測したデータをもとに算出されるOAA(Outs Above Average)において、昨季のドナルドソンは+8を記録し、三塁手ではノーラン・アレナード(ロッキーズ)の+17、マット・チャップマン(アスレチックス)の+14に次ぐメジャー3位にランクインしていた。2017年は-1、2018年は+2と平均レベルの数字に終わっていたが、故障なくシーズンを過ごせたことで守備力も以前のレベルに回復。少なくとも昨季に限っては、メジャー有数の三塁守備を披露した。

一方、昨季のツインズ内野陣の守備は、お世辞にも安定していたとは言えず、内野トータルのOAA-14はメジャーワースト5位の数字。なかでも遊撃のホルヘ・ポランコが-16、二塁のルイス・アラエスが-6、三塁のミゲル・サノーが-5を記録してチームの足を大きく引っ張っていた。ドナルドソンの加入によって三塁の守備力が大幅に向上するだけでなく、三塁で不安定な守備を見せていたサノーは一塁へコンバート。また、三塁に好守のドナルドソンが入ることにより、遊撃のポランコにも好影響を与えることが期待される。

そして、守備力の向上は投手の成績アップにもつながる。昨季、味方の守備力に最も助けられていた投手はダコタ・ハドソン(カージナルス)で、登板時に味方の内野陣はOAA+16を記録。それとは対照的に、マイケル・ピネイダ(ツインズ)は登板時の内野陣のOAAがメジャーワーストの-8で、大きく足を引っ張られていた。ドナルドソンの加入は、得点力アップのみならず、守備力アップという面でも投手陣を大きく手助けすることになるだろう。

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