V長崎新戦力 FW、MF編 J2トップ級の顔触れ

V長崎の新戦力(左から)加藤大、ルアン、富樫=宮崎市国際海浜エントランスプラザ

 サッカーJ2のV・ファーレン長崎は今季、10人の新戦力を迎えた。J1や海外リーグの経験値が高い即戦力が多く、J2全体を見渡してもリーグトップクラスの顔触れ。「FW、MF編」と「DF、GK編」に分けてニューフェースを紹介する。

 昨季リーグ戦22ゴールでチームを鼓舞した呉屋はJ1柏に移籍。その穴を埋めるのは簡単ではないが、竹元強化部長は「誰か一人がというよりも、10点以上取ってくれる選手が何人も出るイメージ」と補強のコンセプトを説明する。
 中でも背番号「10」に指名されたMFルアン・マドソン(29)に注目したい。チャンスメークに優れ、ドリブルもパスも世界レベル。母国のブラジル1部リーグで通算188試合出場、26ゴールを誇るアタッカーはサイドハーフやトップ下を得意としている。
 「攻撃的なサッカーが好き。チームができるだけ前の位置でプレーできるように、持ち味を出していきたい。日本人選手のスピードに、僕はサッカーの楽しさを加えていきたい」。陽気なキャラクターで、既に長崎ファンの心もつかんでいる。
 FW富樫敬真(26)はバイタルエリアのポジション取りが良く、相手の背後を突いてゴールに迫る。体幹の強さがあり、昨季のチームに欠けていた前線からの守備意識も高い。横浜M、FC東京、町田を渡り歩いてきたストライカーは「いいパスの出し手がそろっているところに魅力を感じた」と新天地に長崎を選んだ。1月には第1子となる長女が誕生し「父として、サッカー選手として全力を尽くしていく」と気持ちを新たにしている。
 MF加藤大(28)は運動量が豊富。当時J1の新潟でプレーした2015~17年、試合中の走行距離のランキングでリーグ上位に名を連ねた。キャンプ中のトレーニングマッチでは、黒子役に徹する堅実なプレーでチームを支えていた。自身も「全体を見て、足りないものを埋めるのが自分の役割」と話す。

個性派ぞろいのルーキー組。(左から)毎熊、植中、氣田=宮崎市

 ルーキー組は個性派が並ぶ。
 桃山学院大卒のFW毎熊晟矢(22)は中学卒業まで長崎市で育ち、東福岡高3年時にはインターハイ、選手権の全国2冠を達成した逸材。判断力と技術を持ち合わせ、複数のポジションをこなせる。キャンプでは右ウイングバックで存在感を放っていた。
 MF氣田亮真(22)は生粋のドリブラー。千葉U-18、専大で背番号10をつけ、複数クラブからオファーがあった中でV長崎入りを決断した。「相手に脅威を与えて、見ている人を魅了したい」
 FW植中朝日(18)は中学からJFAアカデミー福島で実力をつけてきた。U-18日本代表として昨年9月のスペイン遠征を経験している。
 これに加えて、昨季途中に期限付き移籍で加入したFWビクトル・イバルボ(30)とMF秋野央樹(25)、MFカイオセザール(24)の流出を防ぐことができた点も大きく評価できる。

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