工場における作業者の作業動態の把握

先日公開した、

図解!「IoTによる工場の可視化で、把握すべき5つのこと」

で、5つのポイントを挙げた。

1. 稼働状況の把握
2. 故障状況の把握
3. 製造状況の把握
4. 人や搬送機器の動きの把握
5. 作業者の作業動態の把握

では、実際にそれぞれの要素について、何を取得すれば、何がわかるというのだろう?本稿では、「作業者の作業動態の把握」に関して、具体的なスマートファクトリーの現場で実際に取得されているデータの要素と、そこから導き出される改善要素について解説する。

作業者の作業動態の把握でわかること

工場のラインにおいて、ヒトが行う作業が少なからずある。機械が自動で行う作業については、高性能な機械を導入したり、故障による停止を極力防ぐことで可能となるが、ヒトが行うところは作業者を取り換えればよいということではない。中間生産物の移動や、何らかの作業において、ヒトが行う部分が多いと、生産性に少なからず影響がでるのだ。移動に関しては、自動運転可能な搬送機の導入や、視覚のあるロボットによるピッキングなど、なるべくヒトが行わない対応が進んでいる。また、作業に関しても、工具の整理整頓や、右利き、左利きといった利き腕に対して作業環境を整備するということも一般化してきている。それでもヒトによって生産性にムラがある場合は、単位作業ごとにどれくらいの時間がかかっているかを計測するという考え方がある。作業全体が早い、遅いというと、どこが他の人と比べて遅いのかがわからないため、そこを可視化しようという取り組みになる。具体的には、RF-IDなどを活用したバンドを腕につけて、作業工程ごとに何らかのデバイスをタッチする。デバイスは時刻を計測し、作業者の作業時間を測定するというものだ。他にも、動画を取得して解析することでどうようのことを実現するという動きもある。こうやって、作業者の苦手な工程を明確にし、トレーニングなどで補おうことによって、全体の生産性を向上していくのだ。

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