見て学ぶ減災 三浦半島活断層調査会が観察会

観音崎で見られる地層などについて解説する赤須さん=逗子市小坪

 1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに発足した「三浦半島活断層調査会」は今月から、神奈川県横須賀、三浦市内などで設立25周年を記念した地層や断層の観察会を開く。同会は「知ることが減災の第一歩。ぜひ見て学んで」と参加を呼び掛けている。

 16日は、県立観音崎公園(横須賀市鴨居)で、切り通しに現れた断層や傾斜した地層、園内に残る海底地滑りの跡などを見学。観音崎が隆起によって形成されたことを解説する。3月20日には、活断層の引橋断層(三浦市南下浦町金田など)で、地形の変化によって地面の高さにずれが生じたことでできた「断層崖」と、海岸に現れた断層群との関係を探る。

 同会は、直下型地震などを引き起こす活断層への理解を深めて防災に役立てようと、三浦半島在住者を中心に理科系教諭や地質関係の博物館学芸員、市民の有志らが95年7月に設立。現在は大学生や中学校教諭ら約60人が所属している。

 専門家だけでなく市民の視点からも調査を行い、津波や土砂災害への備えなどといった市民向けの防災講話を開いたり、逗子市立小学校のうち4校と避難所運営訓練を実施したりと、地域での減災活動にも意欲的に取り組んでいる。

 同会は4月以降も、観察会や講演会などを企画中で、赤須邦夫事務局長は「活断層への市民の関心を高め、地震災害などへの注意や対策を呼び掛けていきたい」と話している。

 観察会はそれぞれ午前10時から。先着30人で参加費500円。観音崎は2月10日まで、引橋は3月13日までに申し込む。問い合わせは、赤須さん電話046(724)0935。

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