『The Very Best Of PIZZA OF DEATH III』。実に10年ぶりのリリースとなる、PIZZA OF DEATH RECORDSのレーベルコンピレーションである。
同レーベルから作品をリリースしているバンド達が勢揃いしているのはもちろんのこと、OVER ARM THROW、 KUZIRA、Track’s、MID LOW HIGH HIGH、SHADOWS、 NAMBA69といったレーベル外部のバンドも巻き込んで、もはやレーベルのプレゼンテーションという域を超えた1枚となっている。21年にわたって日本のパンク／ラウドミュージックの土壌そのものを両足で踏みしめて維持し続け、近年は「SATANIC CARNIVAL」などを通じて縦の系譜も横の繋がりも活性化する動きを強めてきたレーベルだからこそ実現できる、シーンの歴史とユニティそのものを示すアイテムと言っても過言ではない。あくまでロックバンドの発信源であり続けるのがこのコンピレーションアルバムの裏コンセプトでもあるのだ。
レーベル社長でもある横山健の発案によってスタートした同コンピは、今回で3作目となる。「全バンド新曲、全曲キラーチューン」。コンセプトはたったそれだけで変わらず、そのシンプルすぎるお題によって、この一曲で圧倒的に勝ってみせるというプライドのデッドヒートが生まれるのがこのコンピレーションの面白さなのである。
何にも媚びることなく、自分たちの手で自由を掴みたい。だからこそあらゆる制限や枠と闘う。PIZZA OF DEATHはそんな姿勢を表現し続けるバンドたちに共鳴し、従来の壁をぶち破らんとするバンドたちの「きっかけ」となればいいのだ。
