カジノに頼らぬ観光を 無所属・階氏、横浜の港湾事業者案例示

横浜市が、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の立地場所として想定する山下ふ頭=同市中区

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備を巡る衆院予算委員会の4日の審議で、野党議員が「カジノなし」での再開発を目指す横浜港の動きを例示し、安倍晋三首相にカジノに頼らない観光振興策の推進を求める場面があった。

 野党共同会派に所属する無所属の階猛氏は、横浜の港運事業者でつくる「横浜港ハーバーリゾート協会」が示す再開発案を紹介。「カジノ付きIRありきではなく、カジノなしでIRを提案している横浜のようなところもある」と強調した。首相に対し「カジノにこだわらず、他との比較も検討してほしい。社会的コストなどトータルでみた定量的な利害や得失を前提として基本方針を決定していくべきだ」と訴えた。

 首相は、今後策定する基本方針で「カジノ設置に伴う有害な影響の排除に関する基本的な事項を盛り込むことを検討している」などと述べるにとどめ、横浜でのカジノなしでの再開発案への評価には言及しなかった。

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