ブランド運営 アフリカ支援に奮闘中 現地の布使い 洋服展開 聖和女子学院卒業生 根津朋子さん

アフリカの布を使ったカラフルな洋服を販売しているブランド「Alizeti」の商品を紹介する根津さん=福岡市

 佐世保市の聖和女子学院卒業生、根津朋子さん(26)は、アフリカの布を使ったカラフルな洋服を展開するブランド「Alizeti(アリゼティ)」を運営している。2019年には、在校生と協力して商品開発にも挑戦。福岡市で会社員として働きながら、アフリカを支援する取り組みに奮闘している。
 東彼川棚町生まれ。小学高学年のころに、長崎原爆の被爆体験を聞き、平和問題に関心を持つように。徐々に貧困問題に興味を抱き、国際協力機構(JICA)などの国際機関で働くことを目指した。
 大学2年のとき、アフリカと関わるきっかけができた。英語が公用語になっているケニアで2カ月にわたり、小学校の運営を手伝うボランティアに挑戦した。
 「お金ちょうだい」-。道行く人々から日本人というだけでお金を求められ、“対等な関係”ではないことにショックを受けた。ボランティア先の校長先生が打ち明けた「ケニアの貧困を無くしたい」という言葉が胸に響いた。
 「上下関係ではなく、一緒に何かを実現するビジネスパートナーのような存在になりたい」。そう決意して帰国。洋服を現地でつくってもらい、日本で売ることを考案。2年後に大学を1年間休学して、再びアフリカの地を踏んだ。
 3カ国目に訪れたルワンダで、現地の仕立て師と協力し、カラフルな布を使った洋服を試作。納得するまで試行錯誤した。帰国後は日本人留学生に現地スタッフとして協力してもらい、16年1月にブランドを発足。ワンピースやロングスカート、ロングパンツなど20~30代女性を対象にした商品を展開している。明るい色合いが特徴で、好きな形や柄を選べる。購入者からは「かわいい」と好評という。
 大学卒業後は、人材系の会社に勤めながら、ブランドの運営を続けている。19年には母校の生徒と協力してエプロンを制作。生徒たちは、布を使ったオリジナルアクセサリー類もつくり、貧困問題について学んだという。
 根津さんはアフリカでの起業を夢見ている。「身近にアフリカを感じてほしいし、貧困問題を解決したい」と語る。問い合わせはホームページ(https://www.alizeti.shop/)。

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