浅海中 記憶に残りますように 年度末閉校前に感謝の歌声

校区内の空撮映像を背景に出演した浅海中の生徒と教職員=対馬市交流センター

 本年度末で閉校する長崎県対馬市美津島町の市立浅海(あそう)中(溝井洋三(ひろみ)校長)の生徒と教職員は2日、同市厳原町で開かれた「島の合唱祭」(実行委主催)に出演し、地元の映像を映し出しながら感謝の気持ちを込めた美しいコーラスを響かせた。
 同校は1984年に開校。全校生徒は86年に122人を数えたが、過疎化や少子化の影響で本年度は17人にまで減っており、昨年の市議会で閉校の方針が決まった。
 島の合唱祭は市内のコーラスグループが日ごろの練習の成果を発表する場として毎年開かれており、今回は7団体計約200人が出演した。浅海中は生徒と教職員の計22人。同校3年の平山雅(みやび)さん(15)は「この合唱祭に参加するのは今日で最後です。みなさんの記憶に残るよう、心を込めて歌います」とあいさつし、全員で校歌など計3曲を披露した。
 このうち本県出身の市原隆靖さん作詞、大島ミチルさん作曲の「Nagasaki Green&Blue」の合唱では、校区内の浅茅(あさじ)山や赤島、同校校舎などの空撮映像を背景の壁に映し出しながら「木々の緑も 海の青も 永遠(とわ)に遥(はる)かに 続くように」と歌い上げると、盛大な拍手が湧いた。
 指揮を担当した同校の梅野三惠(みえ)教頭は「地域への感謝の気持ちを伝えようと練習してきた成果が出せた。歌声に乗せて、ふるさとの素晴らしさを再認識してもらえたのではないか」と話した。閉校式は3月22日に同校体育館で開かれる。

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