横浜でテクニカルショウ開幕 ロボット産業特区に熱視線

シアンはドローンで撮影した映像を仮想現実(VR)で届ける観光体験サービスを紹介=パシフィコ横浜

 神奈川県内最大級の工業技術・製品見本市「テクニカルショウヨコハマ2020」が5日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開幕した。過去最多の830社・団体が出展し、えりすぐりの技術を披露して異業種との連携や事業拡大の可能性を探った。7日まで。

 盛況ぶりが目立ったのは「さがみロボット産業特区」のブース。全国の高齢者施設で導入が進む小型ロボットを展示した富士ソフト(同市中区)は、搭載したカメラで100人以上の顔を認識し、名前と一致させて日常会話ができる機能などをアピールした。

 藤沢市に研究拠点を置くシアン(東京都)は、仮想現実(VR)やドローンを駆使して移動が難しい障害者に観光体験を届けるサービスを紹介。映像を通じて相手とコミュニケーションを図れる機能を設け、「生活の質を高めたい」(大平百合子取締役)と訴えた。

 「衰退が叫ばれるものづくりの文化に関心を向けてほしい」。そう力を込めたのは、県西・三浦半島地域中小企業支援ネットワークに参画するANAテック(横須賀市)の安藤知史専務。小型の金属に文字や図柄をマーキングするレーザー加工技術を披露し、見た目の分かりやすさに工夫を凝らした。

 食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の取得を業者に義務付ける法改正を受け、NTT東日本(東京都)神奈川事業部は冷蔵庫内の温湿度を管理する小型センサーを出展。規定値を外れるとメールなどで警告し、扉の閉め忘れなどが防げるとPRした。

 見本市は県や神奈川産業振興センターなどの主催で41回目。入場無料。

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