前田獲得のツインズ 有望株・グラテロル放出を決断した理由とは

レッドソックス、ドジャース、ツインズによる三角トレードが合意に達し、ツインズは有望株右腕のブルスダル・グラテロルをレッドソックスへ放出してドジャースから前田健太を獲得する見込みであることが報じられている。現在21歳のグラテロルは「MLB Pipeline」が公開しているプロスペクト・ランキング全体トップ100で83位にランクインしている有望株であり、前田を獲得する対価として大きすぎると指摘する声もある。この点について、MLB公式サイトでツインズの番記者を務めるパク・ドゥヒョンが自身の見解を示している。

グラテロルは平均99マイル、最速102マイルに達する速球が最大の武器であり、「MLB Pipeline」による選手評価では、速球は最高ランクの「80」との評価を受けている。昨季はマイナー3階級合計で18試合(うち11先発)に登板して7勝0敗1セーブ、防御率1.92の好成績をマークし、9月にメジャー昇格。メジャーでは10試合すべてにリリーフで登板して1勝1敗、1ホールド、防御率4.66を記録し、ポストシーズンでも1イニングを無失点に抑えた。

ツインズはグラテロルを今季はリリーバーとして起用し、将来的に先発に再転向させるプランを明らかにしていたが、前田を獲得するためにこの有望株右腕をレッドソックスへ放出することを決断した。

その理由として、パクはまず、ツインズには計算できる先発投手が必要だったことを挙げている。グラテロルは将来的にはローテーションの中心を担う先発投手に成長する可能性があるものの、即戦力の先発投手として計算することはできない。また、比較的故障が多く、80イニング以上を投げたシーズンが1度しかないことも不安視されている。ツインズの先発投手陣のうち、ジェイク・オドリッジ、リッチ・ヒル、ホーマー・ベイリーはいずれも1年契約のため、比較的安価で4年間も保有できる前田はツインズにとって非常に魅力的な存在だったのだ。

パクはさらに、グラテロルを放出しても、ツインズには有望な先発投手がいることを指摘している。ジョーダン・バラゾビッチは「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングでグラテロルとほぼ同順位の86位にランクイン。このほか、トップ100圏外ではあるものの、速球派右腕のヨアン・デュランもおり、両者は来季中のメジャー昇格が予想されている。彼らの存在もツインズのグラテロル放出を後押ししたと見られる。

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