Japanese Summer Orangeによるファン待望の1stアルバム
東京のソロアーティスト”Japanese Summer Orange”初となるアルバム。
宅録が発展し、ベッドルームで制作を行うベッドルーム・ポップという言葉が生まれた10年代であったが、彼もまた音源からアートワークまでを自宅で手掛けるベッドルームアーティストの1人である。極彩の色彩でビル群や山と海、そしてオレンジが象徴的に配置されたアートワークの今作はそれぞれの曲が主張しあう作品群のようなアルバムだ。
過去に公開されていたものを含め、Lo-Fiなサウンドや気だるげなボーカルが目立ち、ディストピアのような荒廃的な曲が多いが、おちゃらけたUKロックのようなリフが特徴的な「Lazy Sunday Morning」や、現行のサイケをヒップホップのリズムに落とし込んだ「I Know What You Did」など、新曲では一味違った顔を見せている。20年代、いよいよベッドルームから世界へと踏み出した彼らに今後も注目である。（Flowers Loft：小林駿仁）
