クルーズ船横浜着岸 感染新たに10人、指定病院へ搬送

救急車に感染者を乗せる救急隊員ら。防護服に身を包んでいる=6日午前11時20分、横浜市鶴見区の大黒ふ頭

 横浜港沖に停泊していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が6日朝、物資補給のため、大黒ふ頭(横浜市鶴見区)に着岸した。厚生労働省は、新たに乗客10人に新型コロナウイルスの陽性反応が出た、と発表。神奈川県内の関係機関は前日に引き続き、感染者の救急搬送などの対応に追われた。

 クルーズ船は同日午前、食料や物資を積み込むため、大黒ふ頭に着岸。昼前には横浜市消防局の救急車がサイレンを鳴らしながら到着し、防護服やゴーグルを着用した隊員らが感染者を乗せて出発した。その様子を、多くの乗客が客室バルコニーから見守っていた。

 県は10人について、県内の5病院に搬送することを決定。5日には10人を4病院で受け入れており、これで県内に八つある感染症指定医療機関全てで感染者を受け入れた。

 厚労省は搬送先の病院名などを非公表としているが、横浜市は市立市民病院(同市保土ケ谷区)で新たに2人の感染者を受け入れたと明らかにした。川崎市も、市立川崎病院(同市川崎区)で3人を受け入れたと公表。ウイルスを外部に流出させないよう気圧を低くした感染症病床に運び込んだ。

 一方、防衛省は、民間フェリー「はくおう」を海上自衛隊横須賀基地から横浜・本牧ふ頭(横浜市中区)に移動させた。クルーズ船の乗客の生活や医療支援にあたる自衛隊の、活動拠点や宿泊施設として活用する。当初は中国・武漢からチャーター機で帰国する日本人らの一時滞在先として使用される予定で、4日から同基地に接岸していた。

 厚労省は6日夜、5日に4病院で受け入れた10人のうち、1人が持病で症状が不安定となったため、県内の別の医療機関に転院したと明らかにした。

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