オズーナ失ったカージナルス打線 課題は「1番」と「4番」

カージナルスは昨季までの2年間、主に4番打者として活躍したマーセル・オズーナがブレーブスと1年1800万ドルの契約を結び、チームを去った。しかし、その穴を埋めるような補強は施しておらず、球団首脳は現有戦力の復調や成長に期待する方針を明言している。また、昨季は確固たるリードオフマンを確立できなかったことも課題となっていた。今季のカージナルスは「1番打者の不在」と「4番打者の流出」という2つの課題に、どのように対応していくのだろうか。

昨季のカージナルスは、期待通り、もしくはそれ以上の活躍を見せたと言える選手がコルテン・ウォンと新人のトミー・エドマンしかいなかった。その結果、チーム得点はリーグ10位に低迷。安定した投手力とメジャー最高レベルの守備力、ハイレベルな機動力を武器に4年ぶりの地区優勝を成し遂げたものの、得点力アップが今オフの課題となった。しかし、今オフは得点力アップにつながるような補強をせず、主軸打者のオズーナとホゼ・マルティネスが流出。さらなる得点力の低下が懸念されている。

懸念される得点力の低下については、ポール・ゴールドシュミットとマット・カーペンターの復調、デクスター・ファウラーとポール・デヨングのシーズンを通した活躍などである程度カバーできると考えているようだ。ゴールドシュミットは移籍1年目で自己ワースト級の成績に終わり、カーペンターもまさかの大不振。この2人が本来の実力を発揮するだけで、得点力は飛躍的に向上するはずだ。

オズーナ流出によってレギュラー不在となった左翼は、タイラー・オニール、レーン・トーマスなど複数の若手選手を競わせる方針であり、チームで最高の有望株と評価されているディラン・カールソンのメジャー昇格も期待される。「4番」については、昨季30本塁打のデヨングのほか、ゴールドシュミットやオニールが候補に挙がっている。

また、昨季のカージナルスの1番打者は、メジャーワースト2位の打率.216に終わり、OPS.663に至ってはメジャーワーストの数字だった。こちらについては、カーペンターやファウラーが期待通りの活躍を見せれば、大幅な成績向上が期待できるはず。また、昨季自己ベストのシーズンを過ごしたウォンを1番に繰り上げることも検討されている。

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