前原瑞樹さん “後輩キャラ” 楽しく演じ 「伝説のお母さん」クウカイ役

「伝説のお母さん」でクウカイ役を演じている前原瑞樹(NHK提供)

 NHK総合で1日スタートした前田敦子主演のドラマ「伝説のお母さん」(土曜午後11時半、全8回)に、長崎市出身の俳優、前原瑞樹(27)が出演している。往年のロールプレーイングゲーム風のファンタジー世界で、前田演じる伝説の魔法使いメイが、生後8カ月の娘の子育てに苦労しながら魔王退治を目指す物語。前原はメイのパーティーの一員で、お調子者の僧侶クウカイ役。テレビドラマで初のレギュラー出演だが、のびのびとした演技を披露。「まじめにふざけながら、楽しんで演じている」と話す。
 同作は、かねもと原作の同名漫画をドラマ化。コメディー調ながら、待機児童問題や「ワンオペ育児」と呼ばれる孤独な子育てなど、現実社会のひずみをリアルに描く。クウカイは、新米メンバーなのに登場早々「子育ては女の仕事」と空気の読めない発言で、メイにダメージを与える役柄。前原は「社会問題を丁寧に描きながら、コミカルで軽やか」と同作をPR。
 県立長崎東高卒。弁護士を志し進学を目指していた高校2年の冬。バンクーバー五輪で、フィギュアスケートの浅田真央選手が大勢を前に演技する姿を見て「なぜか分からないけど俳優になりたくなった」。本気の進路変更を教師に打ち明けると、驚きながらも応援してくれた。
 志望をかなえて明治大文学部に進学し、演劇学を専攻。劇作家の平田オリザが講師を務める演劇学校を経て、大学4年で平田が主宰する劇団「青年団」に入座。卒業後も舞台を中心に活動している。悪気はないが軽薄な“後輩キャラ”がはまり役で、クウカイ役での起用につながった。
 今月から、東京での青年団公演「東京ノート・インターナショナルバージョン/東京ノート」に出演中。テレビや映画の出番も増えつつある。「大学卒業時に悩んだが、家族の応援もあって演劇を続けてきた。これからも好きな作品、面白いと思える作品に出ていきたい」と目標を語った。

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