自らに期待を込めて 陸上男子三段跳び代表有力候補 山本凌雅 「日本記録 出しにいく」

1月下旬の子ども向け陸上練習会に講師として参加した山本。指導を通じて古里の後輩たちへエールを送った=諫早市、県立総合運動公園補助競技場

 陸上男子三段跳びで2017年世界選手権日本代表の山本凌雅(JAL、諫早市出身)が、東京五輪出場へ向けて順調に準備を重ねている。昨季は調子が上がらずに苦しんだが、シーズン最終戦となった10月の茨城国体で16メートル85のセカンドベストをマーク。五輪参加標準記録を1センチ上回る日本記録(17メートル15)の更新を狙う24歳に、手応えや意気込みなどを聞いた。

 -東京五輪イヤーを迎えた心境を。
 僕としてはそこまで変わりはないけれど、やっぱり周りが盛り上がっていると意識せざるを得ない。初のアスリート社員として入社した所属会社的にも。ただ「やっと来たな」っていう感じはする。

 -冬季練習で取り組んでいることは。
 体重をベストだと思っている67キロから4キロくらい増やして、今、あえて体が重い状態をつくっている。自分の体じゃない感覚で、体の使い方や動きを理解して良くしていく。その後、体を絞って切れを出していく予定。初めての試み。

 -何かきっかけがあったのか。
 社会人になって、1、2年目は何だかズルズル来ちゃった感があった。2020年に向けては、もう少し工夫してみようかな…と。

 -練習で特に重点を置いているところは。
 今は走りの接地。やっぱり、跳躍を伸ばすポイントは助走だと思ったから。走り自体は結構いいけれど、あとはそれがどれだけ助走につながってくれるか。いろんな期待を込めて、準備を重ねている。

 -手応えは。
 一緒に合宿をしたりする(男子十種競技の)右代啓祐さん(国士舘クラブ)ら、国内トップの人とかとスタートダッシュの練習をしても勝つ。今の時期は記録として数字が出ないから、何とも言えないところはあるけれど、練習の感じだけで見ると、いい状態なんじゃないかと感じている。

 -照準を合わせている大会は。
 4月末の織田記念国際。「五輪参加標準記録を突破する」というよりも「日本記録を出しにいく」というつもりで臨む。標準記録突破を6月の日本選手権まで持ち越したくない。

 -勝負のシーズンへの意気込みを。
 まずは日本記録を出す、五輪参加標準記録を切るということしか考えていない。それができないと、大きなことも言えないと思っている。「日本記録を出す」と言い続けて、なかなか達成できていない。3年前ぐらいから出せる力は持っているはず。出さなきゃな…という気持ちが強い。

 -自らへの期待もあるのでは。
 やってきたことがどんな結果に出るのか、ポジティブな気持ちは大きい。春のシーズンインに向けて楽しみではある。練習の一環で出場した2日の日本室内選手権は16メートル07で3位だったけれど、感覚としてはすごく手応えがあった。この調子でかみ合わせていけば良さそうな気がする。

 【略歴】やまもと・りょうま 諫早市立湯江小6年から明峰ジュニアで陸上を始めた。高来中を経て、諫早農高1年時にハードルから跳躍へ転向。メイン種目の三段跳びで、3年時は高校の主要全国大会4冠を達成、日本高校記録(16メートル10)を樹立した。順大4年で世界選手権代表、ユニバーシアード銅メダル。自己ベストは16メートル87。身長179センチ。

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