水防災、行動計画の周知を 錦町で球磨川流域市町村など会議

近年多発する豪雨災害について講演する、東京大大学院の松尾一郎客員教授=錦町

 球磨川水系水防災意識社会再構築会議が7日、錦町役場であった。東京大大学院情報学環総合防災情報研究センターの松尾一郎客員教授を招き、事前防災行動計画(タイムライン)の周知の重要性を確認した。

 会議を構成する球磨川流域12市町村や国土交通省八代河川国道事務所などから約70人が出席した。

 松尾客員教授は、昨年7月に鹿児島県で発生した豪雨災害について、「避難指示と聞いた後でも避難しなくてもいいと思った人が、60歳以上で62・6%というデータがある。高齢者層ほど逃げようとは思わない」と指摘。タイムラインを周知すれば避難行動につながりやすいという。

 また、県や同省が進めている球磨川流域の河川改修や浸水対策、水位計の設置状況などを確認した。

 会議は防災対策の連携強化を図ろうと、年1回をめどに開催している。同市などは球磨川水系タイムラインを既に策定。支流も含めた複合災害(マルチハザード)に対応するタイムライン策定を全国に先駆けて進めている。(小山智史)

熊本日日新聞 2020年2月9日掲載

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