マゼックスと住友林業、共同開発した林業用苗木運搬ドローン「MORITO(森飛)」発売

株式会社マゼックスと住友林業株式会社は、共同開発した林業用苗木運搬ドローン「MORITO(森飛)」を2020年2月10日に発売する。同商品は、これまで重労働だった苗木運搬の効率化と省力化を実現するもので、林業分野で大きな懸案事項となっている再造林時の人手不足や高齢化に貢献するとしている。

「MORITO(森飛)」の主な特徴

特徴1:運搬力

苗木運搬にドローンを活用すれば、重い苗木を担いで何十分もかけて現場を往復する作業がなくなり、重労働から解放されるだけではなく、作業効率のアップにもつながる。

MORITO(森飛)で苗木を運ぶ場合

  • 1フライトで8kg(コンテナ苗で40本~80本程度)の運搬が可能
  • 苗木の運搬は1人で可能。1時間で500本程度の運搬が可能

特徴2:山林での安全な飛行

山林では、傾斜地や斜面に囲まれた場所などに苗木を下ろす場合がほとんどであり、機体が斜面に接触する危険が高まるが、付属のウインチを使うことで、機体は安全な位置でホバリングした状態で苗木を降下することが可能になる。また、強風や突風にあう環境でも、ウインチを使って苗木を機体近くまで巻き上げた状態で飛行することによって、安定した飛行を実現。


特徴3 苗木の離脱を自動化

傾斜のある植栽現場においては、ドローンを着陸させることは困難であるため、苗木が着地したときの張力の変化で、自動的に外れる仕組みを持った「自動フック」を採用した。荷外しの作業が不要になるため大幅な省力化となるだけではなく、作業者の安全性も同時に確保できる。


特徴4 苗木の運搬ルートを記憶させて自動飛行

専用のソフトに出発地と目的地の情報を登録すれば、離陸と着陸以外の飛行については、ボタン一つで自動飛行を行うことが可能。苗木の運搬作業は、同じ場所に繰返し荷下ろしを行うため、省力的かつストレスフリーな飛行を実現する。さらに、飛行経路の安全を確認したあとの、一人作業による苗木運搬を可能にする。


特徴5 モニターで確認しながら荷降ろしが可能

一人作業による苗木運搬を実現するためには、離れた目的地の状態を確認する必要があり、ドローンに搭載したカメラで荷下ろしの状態を確認することによって、目的地での確実な荷下ろしをサポート。またカメラは、プロポの操作で見る角度を変えることが出来るため、離れた目的地でも、周囲の状況を確認することも可能。


特徴6 安全安心のために

自然条件の厳しい山林でドローンを飛ばすということは、万が一のことが起こった時の備えも重要であり、手動によって機体を帰還させないといけない状況に陥った時や、機体を見失ってしまう最悪の事態までを想定した機能を備えている。

機能1:機体の色及び点灯するLEDライトの色を機体の前後で変えることで、手動操作になったときの機体方向の把握を容易にする。

機能2:専用のソフトでは、機体の現在位置が表示されるため、万が一、事故となってしまった場合でも、機体の発見が容易になる(動産保険適応の対象となるためには、機体の発見が必須)。

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