新幹線長崎ルート フル推進へ正確な情報を 長崎、佐賀の沿線市議 一致

全線フル規格化に向け意見を交わす長崎、佐賀両県の沿線市議ら=佐賀県嬉野市、うれしの市民センター

 九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化を求める長崎、佐賀両県の沿線5市の市議らが10日、佐賀県嬉野市で意見交換会を開いた。未着工区間の新鳥栖-武雄温泉のフル規格化に向け、佐賀県の実施負担額など正確な情報を県民に発信していくことで一致した。
 意見交換会は長崎側の呼び掛けで初めて開催。長崎側から長崎、諫早、大村各市議と県議の計5人、佐賀側から嬉野、武雄、佐賀各市議や観光関係者ら計12人が参加した。
 会議は冒頭のみ公開。長崎市議で県下市町議会新幹線推進連絡協議会の毎熊政直会長は「佐賀県下の事情や考えを参考に、共に西九州全体の活性化のために推進したい」とあいさつした。嬉野市議らは「一緒になって頑張っていきたい」と応じ、武雄市議は「水害で毎年(在来線の)線路が漬かり通れなくなる」と述べ、防災面でも高架を走るフル規格が必要と訴えた。
 出席者によると、意見交換会では佐賀県の財政負担額や並行在来線問題などを県民に分かりやすく伝えていくことや、意見交換会を定期的に開き、活動を継続していくことを確認した。
 国土交通省の試算では、未着工区間をフル規格化した場合の建設費は約6200億円で、佐賀県には約660億円の負担が生じる見込み。こうした情報が県民に伝わっていないとの意見が出たという。

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