「相手からアプローチがあれば考える」人が他国より多い日本

バレンタインデーを前に、家族や友人に贈るチョコレートを準備したミドル世代もいるかもしれません。最近では女性に限らず、自分へのご褒美が「本命チョコ」という方もいらっしゃるようです。

さて今回は、男女の出会いや恋愛に関する考え方をたずねた国際比較調査のデータから、日本の男女が出会って以降の恋愛や結婚への発展プロセスについて考えてみたいと思います。


恋愛結婚が9割近くを占める日本の夫婦

晩婚化の進行が指摘されて久しい日本ですが、国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば日本の夫婦における恋愛結婚の割合は9割近くを占めています。

その具体的なきっかけとして多くあげられているのは「職場や仕事」「友人・兄弟姉妹」「学校」等ですが、これらの関係や場を通じた“ご縁”が恋愛や結婚に発展するかどうかには、出会って以降の関係構築のプロセスも重要なポイントになると思われます。

他国と比べた、日本の出会いに対する考え方の特徴

そこで今回は、内閣府が行った国際比較調査から、交際相手との出会いや恋愛に関する日本の男女の考え方の特徴をみてみましょう。

図1は、「交際相手との出会いを求めるとしたら、どんな機会があるとよいですか」という設問文で、日本、フランス、スウェーデン、イギリスの4か国の20~49歳の男女に交際相手との出会いに対する考え方をたずねた内閣府の調査結果です。

これをみると、この調査が行われた2015年時点では、日本では「友人に紹介を頼む」が58.0%を占めて最も高く、「趣味のサークルに入る」(39.1%)や「職場の同僚や先輩に紹介を頼む」(38.1%)が僅差でこれに次いでいます。

「婚活サイトなどのインターネットサイトやSNSを利用する」と答えた人は7.0%と、他の3か国に比べ低い割合にとどまっていますが、価値観が多様化する今後は、「交際相手を紹介してくれる結婚支援サービスを利用する(有料・無料を問わない)」とともに、これらの考え方にも変化が起こるかもしれません。

「相手からアプローチがあれば考える」人が多い日本

また、図2は、同じ調査で各国の男女に恋愛に対する考え方を複数回答でたずねた結果です。これをみると、どの国でも最も高い割合を占めているのは、「交際することで人生が豊かになる」という点で、日本では42.8%を占めます。

ただし、日本の場合、これとほぼ同じ割合で「交際をすると相手との結婚を考える」(42.7%)もあげられています。日本の男女では「交際をすると相手との結婚を考える」という人が他の3か国に比べ高くなっています。

このほか日本の特徴として注目されるのは「気になる相手には自分から積極的にアプローチをする」と答えた人と、「相手からアプローチがあれば考える」と答えた人の割合をめぐる他の国との傾向の違いです。

フランス、スウェーデン、イギリスの3か国では「気になる相手には自分から積極的にアプローチをする」が後者を上回るのに対し、日本の場合、「相手からアプローチがあれば考える」が前者を10ポイント以上も上回っています。

つまり、日本には、自分から積極的にアプローチをする人よりも、相手からアプローチがあれば考えるという人の方が多くなっています。

夫婦の出会い後の真相―本当はどちらが積極的にアプローチしたのか?

実は筆者の周囲にも、出会いのきっかけ自体は「友人の紹介」であったものの、その後の関係構築のプロセスに関しては夫婦の見解が異なり、双方とも自分からアプローチしたのではなく相手からのアプローチだったと言い張って譲らないカップルがいます。

先の調査結果に立ち戻ると、この例ではどちらも「相手からのアプローチがあったから考えた」ということになるのかもしれません。

前々回の当欄では、家事の範囲や分担をめぐる夫婦の意識のずれの可能性を指摘しましたが、今回注目した交際相手との出会いについての考え方についても、夫婦の見解が大きく異なるケースは案外多いのではないでしょうか。

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