司馬遼太郎さんしのび 作品朗読 長崎で菜の花忌

文学碑の横で司馬さんの作品を朗読する児童たち=長崎市、風頭公園

 坂本龍馬の生涯を描いた「竜馬がゆく」などで知られる作家の故司馬遼太郎さんをしのぶ「長崎菜の花忌」が9日、長崎市の風頭公園にある「竜馬がゆく」文学碑前であり、市民らが司馬さんの遺徳をしのんだ。
 碑は司馬さんの業績を顕彰することなどを目的に「亀山社中ば活(い)かす会」(針屋武士会長)が1998年に建立。菜の花忌は毎年、命日(2月12日)ごろに開いている。23回目。同会の織田毅幹事は「司馬さんは亀山社中ば活かす会の生みの親でもある。今後も大切に守り続けたい」とあいさつした。
 市立伊良林小6年の児童9人は司馬さんが子どもたち向けに書いたエッセー「二十一世紀に生きる君たちへ」を朗読。最後に参加者全員が司馬さんが好きだった菜の花を碑に手向けた。
 同校の三上明日翔君(12)は「地球温暖化が進む中、司馬さんの自然との共存という思いが伝わるように朗読した」と話した。

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