理想の家賃はいくらでしょうか? 手取りに対して、できるだけ家賃の割合を抑えながら生活を楽にしたいと考える人もいることでしょう。当記事では、手取りに対する家賃の目安を手取り別に見ながら、理想の家賃について考えてみましょう。
家賃の目安、手取りの30%で本当に大丈夫?
一般的に「家賃は手取りの30%が目安」だと言われています。実際のところはどうなのでしょうか。最近では、「30%は高すぎる」「25%が理想」などの意見もあるようです。ここでは、手取りに関する定義を確かめつつ、手取りに見合った家賃の額を計算してみましょう。
手取りとは?
「手取り」とは、会社から支給されるお金の総額から、所得税や住民税などの税金、年金や健康保険料などの社会保険料を控除した金額のことを指します。毎月の給料として、会社から実際に支払われている金額は「手取り」を示すものです。
手取りは、一般的に会社から支給される総額の75〜85%と言われています。例えば、一般的な大卒の初任給21万円の場合、手取りは16万円前後となります。
参考
給料の手取り計算方法&平均給与の実態|就職Hacks
手取りの30%ってどのくらい?
一般的な家賃の目安となる「手取りの30%」がどの程度か、計算してみましょう。
<家賃の目安・手取り30%の場合>
手取り 家賃の目安 15万円 4万5000円 18万円 5万4000円 20万円 6万円 22万円 6万6000円 24万円 7万2000円
手取りの25%ならどのくらい?
それでは次に、「手取りの25%」の場合の家賃を見ていきましょう。
<家賃の目安・手取り25%の場合>
手取り 家賃の目安 15万円 3万7500円 18万円 4万5000円 20万円 5万円 22万円 5万5000円 24万円 6万円
手取りの30%と25%では、およそ1万円前後の差があるのが分かります。
手取り30%の家賃で生活費を比較!
本当に、手取り30%の家賃で暮らしていけるのでしょうか? 実際に手取りのうち30%を家賃に回した場合の生活費を想定し、手取り別に比べてみましょう。
なお、生活費の内訳は、総務省統計局が発表した「家計調査(2018年)」を基にし、単身世帯の内容と金額を参考にしています。
手取り15万円の場合
費目 金額 家賃 45,000円 食費(外食含む) 40,000円 光熱・水道費 10,000円 日用品 5,000円 衣類 5,000円 保険・医療費 8,000円 交通費 4,000円 通信費 10,000円 娯楽・交際費 18,000円 雑費 5,000円 貯金 0円 合計 150,000円
参考
家計調査(2018年)|総務省統計局
外食・酒類も含めた食費が少し多めになっており、この生活費では貯金もできずかなり生活が厳しくなる可能性があります。外食を控え、娯楽・交際費を抑えることで生活に少し余裕ができるでしょう。
家賃を手取り25%に当たる3万7500円を抑えた場合、7,500円を貯金に回すことができます。
手取り18万円の場合
費目 金額 家賃 54,000円 食費(外食含む) 40,000円 光熱・水道費 10,000円 日用品 5,000円 衣類 5,000円 保険・医療費 8,000円 交通費 4,000円 通信費 10,000円 娯楽・交際費 18,000円 雑費 5,000円 貯金 21,000円 合計 180,000円
参考
家計調査(2018年)|総務省統計局
手取りの額がアップすることで、少し生活の余裕が出ますが、それでもまだ余裕のある生活とは言えません。自炊中心の生活を心がけることで食費を抑え、できれば保険・医療費や通信費などの固定費の見直しが必要かもしれません。
家賃を手取り25%の4万5000円に抑えることができれば、より安定した生活になるでしょう。
手取り20万円の場合
費目 金額 家賃 60,000円 食費(外食含む) 40,000円 光熱・水道費 10,000円 日用品 5,000円 衣類 5,000円 保険・医療費 8,000円 交通費 4,000円 通信費 10,000円 娯楽・交際費 18,000円 雑費 5,000円 貯金 35000円 合計 200,000円
参考
家計調査(2018年)|総務省統計局
手取りが20万円になると、少しまとまった額を貯金に回すことができます。ただし、外食などが増えると生活が厳しくなることもあり得るので注意が必要です。
家賃を手取り25%の5万円に抑えた場合、月々4万円ほどの貯金が可能になります。
手取り22万円の場合
費目 金額 家賃 66,000円 食費(外食含む) 40,000円 光熱・水道費 10,000円 日用品 5,000円 衣類 5,000円 保険・医療費 8,000円 交通費 4,000円 通信費 10,000円 娯楽・交際費 18,000円 雑費 5,000円 貯金 49,000円 合計 220,000円
参考
家計調査(2018年)|総務省統計局
生活にこのくらいの余裕があると安心です。家賃は30%のままで増やさずに、余ったお金は貯金や投資に回すのもいいかもしれません。特別に問題がなければ、無理に家賃を25%に減らす必要もないでしょう。
手取り24万円の場合
費目 金額 家賃 72,000円 食費(外食含む) 40,000円 光熱・水道費 10,000円 日用品 5,000円 衣類 5,000円 保険・医療費 8,000円 交通費 4,000円 通信費 10,000円 娯楽・交際費 18,000円 雑費 5,000円 貯金 63,000円 合計 240,000円
参考
家計調査(2018年)|総務省統計局
手取り25万円の場合、家賃が手取りの30%でも十分な余裕があります。休暇に旅行に出かけたり趣味に少しお金を使ったりする余裕も出てきます。しかし、あまりぜいたくが続いてしまうと貯金に回す金額にも影響が出ますので、気をつけましょう。
家賃を限界まで抑える人も!
「将来のためにできるだけ貯金したい」「旅行や趣味にお金を使いたい」などの理由で、家賃をできるだけ低額に抑える人もいます。生活スタイルや価値観はそれぞれ違いますので、自分のライフスタイルに合わせて25%や30%などにこだわらずに家賃を調整するのもいいでしょう。「安価な地域で物件を探す」「広さやスタイルにこだわらない」などと工夫して、収入の4分の1くらいまで家賃を抑えられると、月々の貯金や自由になる金額がかなりアップします。
手取りを基準に家賃を決めるのがベスト
手取りの金額別に、生活費を比べてみました。手取りの金額により、家賃が同じ割合でも生活の余裕に差があるのが分かりました。理想の家賃の割合は一律ではなく、手取りに合わせて家賃の金額の調整をするといいでしょう。少し多めに使いたい費目や節約できる費目を考えながら、自分の生活を見直し予算を決めるのもいいかもしれません。もしもの時に備えながら、自分の手取りに合った家賃で借りられる住居探しをしてみてください。
参考
令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給|厚生労働省
平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要|総務省
理想の家賃はいくら? 手取り15万、20万、25万円の生活費をシミュレーション|liful HOME’s
「家賃は収入の30%」は時代遅れ?手取りから逆算する”理想の家賃”をお金のプロが解説|オウチーノニュース