新車なき発表会を行ったルノーF1「実物でないショーカーを披露したくはなかった」開発の遅れは否定

 ルノーF1チームの代表シビル・アビテブールは、2020年型マシン『R.S.20』はプレシーズンテストが行われるバルセロナで披露すると語り、2月12日の体制発表会で公開しなかった理由にも言及した。

 フランス・パリのシャンゼリゼに位置するグループ・ルノーのフラッグシップストア、ラトリエ・ルノーにルノーF1チームの主要メンバーが集まり、2020年の体制発表を行った。しかし『R.S.20』についてはプレシーズンテスト用カラーが施されたマシンの一部が画像で紹介されるにとどまった。

 アビテブール代表は、F1チームがニューマシン発表の際に披露するマシンと実際にテストで走行するマシンが大きく異なる場合がしばしばあり、実際に走らないマシンを発表することに意味はないと感じたと説明した。

「人々が、実際のマシンでないものを分析しようとしてソーシャルメディア上でコメントしているのを見ると、少し残念な気持ちになる」とアビテブールはSky Sportsに対して語った。

「ここに実際のマシンを持ってくることはできない。この時期、マシンは組み立てられて、バルセロナに直接送り出されるからだ」

「とぼけたりしたくはなかった。人々には真実を明らかにすべきだ。偽の情報を提供したり、偽のマシンを見せたりするべきではない」

「つまり、ここでフェイクのマシンを披露したくはなかったので、マシンの発表はせず、レンダリングとカラーリングのヒントを提供するにとどめた。実際のマシンは来週のバルセロナでお見せすることになる」

ルノーF1が公開した2020年型マシン『R.S.20』のイメージ画像。マシン全体ではなく細部カットだけの公開となった

 アビテブールは、マシンの製造が遅れているのではないかという見方を否定した。

「昨年よりも予定どおりに作業が進んでいる。だが、数時間あるいは数日ここに置いておくのではなく、作り上げてバルセロナに直接送るというのが、理想的なスケジュールだ」とアビテブールが語ったとロイターが伝えた。

「それを考えると、我々が持つ選択肢は、ここでマシンを披露する場合は、今年のマシンのように見せたフェイクのマシンを持ち込むしかない。私の考えではそれは金の無駄遣いだし、フェイクのマシンをもとに人々が分析を始めてしまう」

「それならむしろマシンを発表しない方がいい。マシンに関心を持ってくれる人たちは、来週(実物の)写真を見ることができる」

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