逗子斜面崩落、市が応急工事着手へ 費用負担は今後交渉

斜面を目視で確認する逗子市の職員ら=逗子市久木4丁目

 神奈川県逗子市池子の市道脇で斜面が崩落し、市内在住の県立高校3年の女子生徒(18)が死亡した事故を受け、同市の桐ケ谷覚市長は13日、市が事故現場斜面の応急工事に着手する方針を明らかにした。事故発生以来、通行止めが続く市道を再開し、多くの市民が通勤・通学などで利用する生活道路の安全を確保するためで、費用負担などは今後、所有者のマンション管理組合と交渉する。桐ケ谷市長は「私有地の対策は所有者が行うべきだが、手をこまねいてはいられない。速やかに工事し、安全を図りたい」としている。

 5日に崩落した斜面は、斜面上に立つマンション(38世帯)管理組合の所有。事故から1週間以上が経過した13日現在も、崩れた斜面下の市道は安全が確保できないことから、通行止めが続いている。

 市は、管理組合が合意形成して工事に着手するには時間を要すると見込み、先行して応急工事を行うことを決めた。工法は今後検討するが、7日に現地調査した国土交通省の専門家の助言を踏まえ、モルタルの吹き付けや防護柵設置などを検討している。今月中にも設計に着手したい考え。費用は数千万円を見込むという。

 今後は管理組合側と交渉し、民有地で先行工事するために組合側の承諾を受ける方針。費用は組合側にも負担を求める方向で協議する。

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