3週間ぶりクルーズ船 長崎入港 新型肺炎感染疑いは確認されず

着岸したクルーズ船に乗り込む検疫官=長崎港

 新型コロナウイルスの感染拡大でクルーズ船の寄港中止が相次ぐ中、乗客248人を乗せたクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」が13日、長崎港に入港した。旅行客が乗ったクルーズ船が寄港するのは1月22日以来。感染が疑われる人は確認されていない。
 乗客はほとんどが日本国籍。1月16日に横浜を出港し、東南アジア各国を周遊した。9日に中国海南島、11、12日に中国厦門を訪れる予定だったが、感染拡大を受けて台湾にルートを変更。だが、台湾当局が寄港を禁じたため、急きょ長崎に入港した。14日午後5時に神戸へ出港する予定。
 13日は午前9時に長崎港に着岸。福岡検疫所長崎検疫所支所によると、検疫官6人が船内で乗客乗員を対象に体温測定などを実施した。
 着岸から約2時間半後、乗客が降りてきた。横浜市西区の70代女性は「中国に行ってみたかったが、ちょっと残念」と話した。「アルコール消毒はきちんとやっていた。誰か(感染者が)出たら迷惑をかけるとみんな考えていたと思う」と船内の様子を語った。
 大阪府守口市の70代男性は「ルート変更は仕方ない。あちこち立ち寄ればどこで感染するか分からないし、日本に帰ってきてほっとした」と笑顔だった。
 県港湾課によると1月27日以降、計17隻のクルーズ船が長崎港と佐世保港への寄港を取りやめている。

 

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