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今春、高校を卒業する島原半島内計10校の3年生約500人は13日、雲仙・普賢岳噴火災害で焼失した森の再生を願い、島原市南千本木町の砂防指定地にクヌギやコナラ、モミジなど6種類の苗木計約800本を植樹した。古里で過ごした思い出を苗木に託し、災害の記憶の継承と復興への願いを新たにした。
市民グループ「雲仙百年の森づくりの会」(宮本秀利会長)が、高校生の卒業記念として1999年から毎年実施している。島原半島に自生する樹木の種子から育てた苗木を、火砕流で森が消失した千本木地区の砂防ダム周辺に植樹している。今回で累計4ヘクタール、3万2千本となった。約20年前に植えた樹木は、高さ約10メートルに成長しているという。
宮本会長は「島原を離れても、自分が植えた木の方向を見て『頑張ってるぞ』とエールを送ってほしい」とあいさつ。生徒たちは普賢岳の溶岩ドーム「平成新山」を間近に望む地で、スコップを手に苗木を一本一本丁寧に植え、古里と自身の未来の希望を託した。
福岡市の大学に進学する県立島原農業高3年の伊達百華さん(18)は「友だちと一緒に植えた木と共に、自分たちの成長も楽しみ」と話した。