西武、昨季引退の大石達也氏をメッツに派遣「メジャー流の指導を学んでほしい」

西武の球団本部ファーム・育成グループスタッフとして渡米する大石達也氏【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

2010年ドラフトで6球団競合の右腕は1A帯同へ「今後の西武に少しでも力になれるように」

 西武の未来を背負って大石達也氏が海を渡る。昨年限りで現役を引退し、西武の「球団本部ファーム・育成グループスタッフ」として再スタートを切った大石氏が、ニューヨーク・メッツ傘下のシングルA「セントルーシー・メッツ」に派遣されることが決まった。西武とニューヨーク・メッツは昨年5月にパートナーシップ契約を締結。本契約内容の一つが「人材の派遣」で、コーチング技術やデータ活用方法、メディカル・フィジカル面、選手育成などに関するノウハウをお互いに学ぶことを目的としている。

 西武は2017年に事業ビジョンを策定し、その中で「チーム/育成の強化」を謳っているが、今回の取り組みもその一環。今年は球団初の試みとしてトレーナーの久保田治氏を埼玉武蔵ヒートベアーズに派遣するなど、チームスタッフ育成にも注力している。

 大石氏は2月23日に渡米する。ほぼ1シーズン、チームに帯同して投手コーチとしての技術を学び、自らも投手コーチとしての役割も担う予定だ。球団本部ゼネラルマネジャーの渡辺久信は「昨年、ニューヨーク・メッツとパートナーシップ契約を締結し、これを機により一層の育成強化に努めていきたい。大石には、チームを強化するにあたり、特に若手選手の育成方法などメジャー流の指導方法を学んできてほしい。その他、吸収できるものはすべて吸収するぐらいの気概で頑張ってきてもらいたい」と話す。

 西武は昨シーズン、21年ぶりに連覇を達成したが、目指すは毎年優勝争いができる常勝チーム。その礎をより強固なものにするべく、今後もチーム全体の育成に力を注いでいく。2010年ドラフトで6球団競合の末に西武に入団し、昨季限りでユニホームを脱いだ大石氏は「メッツへの派遣について最初言われたときは驚きしかなかった。ただ、それから時間も経ち、今では良い機会をもらえたので、育成に限らずいろんなことを吸収してきたいと感じている。今後の西武に少しでも力になれるよう頑張ってきたい」とコメントした。(Full-Count編集部)

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