「温暖化防止へ行動を」 COP21の成果報告 横浜

 地球温暖化対策の今後を探るセミナーが13日、横浜市中区であった。昨年の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に政府代表団の一員として参加した地球環境戦略研究機関(葉山町)の研究者が、会議の成果と課題を報告。「すぐに行動しなければ、気温上昇の抑制目標を達成できない」と訴えた。

 COP21では、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるとともに、1・5度以下に向けて努力する長期目標などを盛り込んだパリ協定を採択した。

 この日のセミナーで、関西研究センターの田村堅太郎副所長は「190以上の国による全員参加型の画期的合意。脱炭素社会へ世界が動きだしたというシグナルを社会や企業に発したことが最大の成果」と強調。一方で、今世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることについては「できることを積み上げるのではなく、何が必要かという視点で取り組まなければならない」と指摘し、具体的な対応策を早急に実行する必要性を唱えた。

 三木はる香研究員は、国レベルと受け止められがちな温暖化対策に自治体や企業、市民などが果たす役割の重要性がCOP21で確認されたと説明し、建物の省エネ化などに力を入れる米国やフランスの都市の先進事例を紹介した。

 セミナーは同研究機関と県が主催し、約70人が参加した。

© 株式会社神奈川新聞社