前身から通算して127年の歴史に3月で幕を下ろす長崎玉成高(上村正和校長、468人)生活技術科の閉科式が15日、長崎市愛宕1丁目の同校であった。最後となるファッションショーには在校生のほか、卒業生や教諭らも参加し、花を添えた。
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同校は1892年5月に玉木リツ氏が創立した長崎女子裁縫学校の流れをくむ。玉木女子高創設の1948年に被服科が設けられ、2005年に生活技術科となった。裁縫学校時代から数えて被服系学科の卒業生は1万人を超える。
66回目となるショーでは、生活技術科最後の卒業生となる10人の作品を中心に、制作した和服やスーツなどを披露。127年の歴史にちなんで12.7メートルのロングベールをまとったドレスも登場した。モデルやエスコート役として卒業生や家族、教諭らも出演し、最後の舞台を大いに盛り上げた。
650人が出席した閉科式で鬼塚謹吉理事長(83)は「閉科は非常に寂しいが、時代の流れ。実学尊重の精神は今後も守り続けたい」、同科3年代表の青木寿々子さん(18)が「失敗しては何度もほどき、縫い直して成長した。ここでの学びは将来につながる」とそれぞれあいさつ。歴史を振り返る映像も上映された。
卒業生で、最後のショーと閉科式を取り仕切った同科主任の松山恵子教諭は同校での教諭生活41年。閉科式を終え、「裁縫は一生の技術。精神はこれからも伝え続けたい」と涙を拭った。
同科最後の卒業生となる10人は3月1日、一針一針縫い上げたはかまで卒業式に出席する。
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