マクラーレンCEO、コロナウイルスの感染拡大を受けてF1ベトナムGPの開催を懸念

 マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、ベトナムで中国からのコロナウイルスの感染が数件確認されていることから、F1はベトナムにおける衛生状況を「注視している」と話している。

 F1は南アジア地域で初となるベトナムでのレースを4月4日から開催する予定であり、ハノイがF1世界選手権の第4ラウンドの会場となる。

 しかしながら、コロナウイルスが中国から国境を超えて拡散しているとのニュースが浮上し、その経路はベトナムにまで通じているという。ハノイ周辺のいくつかの村では、計10,000人もの人々が地元当局によって隔離されている。

 このウイルスの広がりにより、ベトナムでの開催はリスクのあるイベントとして位置づけられた。木曜日に行なわれたマクラーレン2020年型マシンの発表会において、ブラウンはどのチームメンバーも強制的にハノイに連れて行くようなことはしないと述べた。

「ベトナムはまだ潜在的問題のある国として挙げられてはいない。しかし(中国に)隣接する国であることは明白であり、我々は状況を注視していく」

「我々はスタッフを危険にさらすようなことは決してしないし、それはF1側も同じだと考えている」とブラウンは語った。

 中国GPの延期に続き、ベトナムGPまでもがキャンセルとなれば、F1カレンダーには3月22日のバーレーンGPから5月3日のオランダGPまで、7週間にわたる長い休みが生じることになる。

「これは我々にとってまったく初めてのことであり、誰もが同じ状況下にいる。前例のない予期せぬ事態だ」とブラウンは付け加えた。

「過去にレースが中止になったことはあるが、現在我々が直面している状況と必ずしも同じわけではない。思うに、我々はもっとよく状況を理解し、アクションを起こしていかなければない。そしてそれは誰にとっても同じことだ」

「まず何よりも、世界で広がっているこの恐ろしい状況が収束することを願っている。また、こうした有事の際は、スポーツのようなことは二の次となる」

「自体が収束することを望んでいるし、それにしたがって我々は適切に対応していくだろう」

「もし1カ月のオフになるならば、1カ月の休みができるだけのことだ。もしかしたらチェイス(・キャリー)が、そのギャップを埋めるために新しいレースを検討するかもしれないが、非情に流動的な状況だと考えている」

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