【キーワード】●カネミ油症 ●次世代被害 ●油症検診と認定 ●YSCによる次世代被害者の健康実態調査 カネミ油症次世代座談会

 ■カネミ油症
 カネミ倉庫(北九州市)が食用米ぬか油を製造中、熱媒体のカネカ製ポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入し、一部がダイオキシン類PCDFなどに変化。長崎県など西日本一帯で販売され被害を広げた。1968年10月、新聞報道で発覚。当初1万4千人が被害を届け出た。昨年12月末の認定患者数は全国で2331人(死亡者含む)。長崎県は昨年3月末で967人(死亡者、転出者含む)。

 ■次世代被害
 次世代への影響は定かではないが、油症患者の親と同様に内臓や神経疾患、全身の吹き出物などの皮膚症状、爪の変色など、全身にわたってさまざまな症状が出るケースがある。色素沈着の「黒い赤ちゃん」として生まれたり、多様な症状が若くして頻発したりといった報告もある。油症の主因ダイオキシン類は、母体から胎盤や母乳を通じ子に移行するとの研究報告があるが、症状との因果関係は不明確とされる。父親から子への影響については、未解明な部分も多い。

 ■油症検診と認定
 油症検診は、認定患者、未認定患者の健康状態を知るため毎年実施。皮膚科や内科などの臨床検査をはじめ、原因物質ダイオキシン類の血中濃度、骨密度、血圧などを調べる。未認定患者については、全国油症治療研究班の診断基準に基づき診査し、知事が認定の可否を通知する。診断基準には2004年にダイオキシン類PCDFの血中濃度が追加された。ただ、血中濃度が比較的に低い次世代被害者については、血中濃度を重視する診断基準が壁となり、大半が認定されていない。

 ■YSCによる次世代被害者の健康実態調査
 救済が遅れている認定患者の子や孫について、東京の支援団体カネミ油症被害者支援センター(YSC)が今月から、全国的な健康実態調査を進めている。過去や現在の症状や疾病を聞き取って集計し、油症ではない人の平均的な健康状況と比較。科学的に被害を明らかにし、油症認定制度の改正などを国や与野党に求めていく考え。

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