カネミ油症座談会 次世代被害者が多様な症状証言

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2世の被害者4人が体験や思いを語った座談会=福岡市内

 長崎県など西日本一帯で健康被害が拡大したカネミ油症。1968(昭和43)年の事件発覚から半世紀以上がたった今、ダイオキシン類など有害化学物質による汚染油を直接摂取した人の子ども(2世)や孫(3世)といった次世代被害者の救済が一つの焦点となっている。実相や当事者の思いに迫ろうと長崎新聞社は先月、被害者が多い五島市の協力を得て、油症認定患者の母から69年以降に生まれた男女4人の座談会を開催。4人はぜんそくや吹き出物、脳梗塞など、経験した多様な症状を証言した。
 出席した諫早市の下田恵さん(30)と高知市の中内孝一さん(48)は未認定、福岡市の三苫壮さん(43)と長崎県の40代男性Aさんは認定されている。子どもの頃から続く全身倦怠(けんたい)感は共通。下田さんは「上から重りを押しつけられている感じ」と表現。中内さんは体調不良が続き内気になり、小中学校で過酷ないじめに遭ったことを明かした。
 3世を含めた被害の“連鎖”があるのかないのか、明確には分かっていないが、三苫さんは「自分が結婚したり子どもができたりする時は(自分が被害者だと)結婚相手に打ち明けなければ」と苦しい胸の内を吐露。油症への世間の関心があまり広がらない中、Aさんは「声を上げても少数派なので理解を得られず(次世代は)影を潜めてしまう」と嘆いた。下田さんは次世代同士が連携して声を上げ、救済を求め続ける必要性を訴えた。

●座談会内容

・カネミ油症次世代座談会<1>常に恐怖感ある 悔しいが諦めも

・カネミ油症次世代座談会<2>結婚や子ども 名乗り出られない人もたくさん

・カネミ油症次世代座談会<3>誤解から偏見に くぎ打ち続ける

【キーワード】●カネミ油症 ●次世代被害 ●油症検診と認定 ●YSCによる次世代被害者の健康実態調査