ペンギンと触れ合い、餌やり体験人気 長崎ペンギン水族館

ペンギンの餌やり体験を楽しむ来館者=長崎市宿町の長崎ペンギン水族館

 バケツを持って飼育場に入ってくる親子連れの姿は、ペンギンにとって、ご飯の合図。競うように足元に集まってくる。おねだりするように上を向けたくちばし目がけ、子どもたちはアジの尻尾を持って落とす。ぱくっと上手にくわえたペンギンは上を向き、また催促。北九州市立西小倉小2年の宮崎友基君(8)は「餌やり体験は楽しかった。ペンギンが速くてびっくり」と笑顔を見せた。
 長崎とペンギンのつながりは1959年、南極海から捕鯨船で運ばれた4羽のヒゲペンギンから始まった。同年4月、前身の長崎水族館がオープン。2001年、ペンギンに主眼を置いた長崎ペンギン水族館が開館した。
 世界で生息が確認されているのは18種類。フンボルトやマゼランなどの温帯ペンギンや、キング、ジェンツーなどの亜南極ペンギンなど、世界最多とされる9種類170羽(1月末現在)を飼育している。旧館時代含め7種類の繁殖に成功。今いるペンギンの約7割は長崎生まれ、長崎育ちだ。18年度は約26万6000人が来館。休日を中心とした催しが、親子連れらの人気を集めている。
 ペンギンの背中や翼に触れることができる「タッチング」には毎回、約200人の列ができる。飼育場から約100メートル離れた「ふれあいペンギンビーチ」は、海岸近くを仕切り、自然に近い状態で見ることもできる。時速約20キロで泳ぐ姿に加え、運がよければジャンプにも出合える。家族5人で訪れた大村市黒丸町の会社員、池田雄樹さん(30)は「イベントがたくさんあり魅力的。家族で遊んで1日過ごすのにはいい」と喜ぶ。
 46年間、飼育に関わっている楠田幸雄館長(66)は「コミカルな動きにも注目してほしい。ペンギンはとても平和的。人間も見習うべきところがたくさんある」と語った。

 【メモ】開館時間は午前9時~午後5時。大人520円、3歳~中学生310円。年間パスポートは大人1250円、3歳~中学生730円。餌やり体験やバックヤードツアーは100円(定員あり)。無休。JR長崎駅方面から車で約20分。電話095.838.3131。

長崎ペンギン水族館=長崎市宿町

© 株式会社長崎新聞社