ALEの人工流れ星衛星初号機、目的高度を目指し降下ミッションを開始

【▲初号機に搭載されたDOMの膜(展開後)Credit:東北大学】

世界初の人工流れ星の実現をめざすベンチャー企業の株式会社ALEは、人工衛星初号機に搭載された膜展開式軌道離脱装置の膜展開に成功し、降下ミッションを開始したことを発表しました。

ALEの人工衛星初号機は、イプシロンロケット4号機によって2019年1月18日に打上げられ、高度約500kmの軌道投入に成功しています。

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人工流れ星の放出運用高度は約400kmで計画されています。そのため、現在の位置から約100kmの軌道降下を実施する必要があり、その方法として株式会社中島田鉄工所と東北大学が共同で研究開発した膜展開式軌道離脱装置De-Orbit MechanismDOM)を宇宙空間で展開し、少しずつ高度を下げる方法が採用されました。DOMの膜展開は2019年12月25日に行われ、東北大学の研究チームが衛星搭載カメラを使用し、膜展開の撮影に成功しています。

降下ミッションは、1年間程度を掛けて高度400kmを目指し、技術検証を行った後に人工流れ星の放出運用を開始する予定となります。

なお、人工衛星初号機の当初の予定では2019年3月頃までに降下を開始する予定でしたが、打上げ後の初期試験に想定よりも時間を要したこと、人工衛星2号機の運用制御に反映するための詳細な軌道上データの集積や技術検証の蓄積を優先したため、軌道降下開始時期を延期していました。

Source: 東北大学/ ALE

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