ヤマハ発動機、花粉飛散防止剤の散布試験でドローンが活躍

散布試験に用いられた産業用マルチローター「YMR-08」

ヤマハ発動機株式会社は、同社の産業用マルチローター(ドローン)「YMR-08」を用いて、昨年9月末に浜松市の静岡県森林・林業研究センターで行われた花粉飛散防止剤の散布試験を行ったことを発表した。農薬散布等で実績のある同社のドローンに、名古屋大学の開発による特殊なノズルを装着し、より高効率な薬剤散布を目指したという。

花粉飛散防止剤をスギの若い雄花に散布することで、雄花だけが枯れて翌年春の花粉の飛散量を大幅に抑えることができ、花粉を作らせないことによって木の生育や木材の品質に好影響を与えることがわかっている。人体に影響がないことも実証済みだという。

花粉飛散防止剤を開発した東京農業大学の小塩教授も浜松市の出身で、地域が抱える課題の解決に向けて、同じエリアで事業を展開するヤマハ発動機との連携は意義のあることだと語る。

発生源で花粉を半減させることができれば、都市部での飛散量はさらに低減されると考えられている。ピンポイントの散布にはドローン、より広い範囲の散布には産業用無人ヘリコプターと、各種ヤマハ製品の使い分けも想定しているという。

© 株式会社プロニュース